対等なドイツ人

お客様は神様です!

なんて言葉は、一体いつから始まったんだろう。

日本に住んでいるころから薄々感じてはいたけれど、ドイツに来て確信したことがある。

日本のサービスは過剰だ。

よく言えばホスピタリティと表現できるのかもしれない。

痒い所に手が届くサービスがノーマルになっているから、少しでも不手際があると消費者や利用者の不満につながる。

私はそこまでサービスに厳しいほうではないと思うけれど、

それでも日本のサービスが私にとっての”普通”だったので、ドイツに来て以来のこの7年間で驚くことは多々あった。

(それはドイツだけではなく、周辺各国も同様)

ドイツのサービスにおいて、ホスピタリティを感じることは、まあ、ほぼ無い。

お店での店員さんの対応、HPに記載されているお客様相談窓口、役所の仕事、

(それ、私の担当じゃないから)(担当者が休暇中だから2週間後にまた電話して)

担当によって言うことが違うのは日常茶飯事。たらい回しに合うこともよくある。

初めて会う人でもわかる機嫌の悪そうな不愛想な対応。店員同士が話していて接客しないとか。

言い始めるときりがない。笑

注)もちろん親切な人もたくさんいますが、日本レベルのサービスを期待してはいけません

そういえば3月の終わりに我が家のインターネットが突然使えなくなり、管理会社に問い合わせたことがあった。

なんとびっくり。ルーターを変えたそうで。(告知なし)

と、日本だとあり得ないようなことが、こちらだと起こります。

ドイツだから仕方ないよね。ともう諦めてるけど。

こうしてユーザーの目線でみると大変だし、不便なことや腹立たしいことも多々あるんだけど、

働くほうの目線でみると、印象は変わってくる。

基本はお客様に対して立場が対等なので、できないことはできないとハッキリ言えるし、

無理な注文をしてくるお客様に対しては(もう来ないでくれ)と言い放てる。

実際に何度もそういう光景を目にしてきた。むしろ喧嘩してた。

18時閉店なら17時や17時半から片付け始めて、閉店しますよオーラを醸し出すし。笑

(特にプライベートに時間の確保に関しては強く主張する人が多い。)

向き合い方が人と人。お客様じゃない。あくまで客なんだよね。

こっちのサービスに慣れてしまうと、一時帰国するたびに日本のサービスレベルの高さに関心する。

感動するレベルのサービスを提供することをやりがいに感じ、体現できるのは本当にすごいことだ。

けれど、日本のおもてなしの心は素晴らしいと思う反面、

ちょっとやりすぎにも思えてしまう。

だって、それがスタンダートになったら大変なことが増えるでしょ?

プライベートの時間を削られたり、やらないとホスピタリティが低い人みたいなプレッシャーが増してストレスになりそうだし。だから日本人の労働時間は長いんじゃないかと思えてしまうし。。。

働く人の心の健康

を考えるとね。ドイツ人の対等な態度は自分を守るという意味ではいいのかもしれない。

サービスレベルと労働負担、表裏一体の話なので、ドイツと日本のどちらが良いかは人によると思うけれど。

おもてなしの日本人と、対等なドイツ人。

どちらの価値観もわかるからこそ、バランスよく生きたいものです。

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